サーバーメンテナンスの手順
  • 保守管理
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サイト引越し屋さん編集部

サーバーメンテナンスとは?プロが教える手順とコツ

ホームページやブログは、作って終わりではありません。Webサイトやサーバーの保守や、メンテナンスといった作業も必要です。

長期間に渡りメンテナンスを怠っていると、サーバーやWebサイト、メールの環境が最適化されておらず、不具合やトラブルが起きるリスクがあります。

そういった状態を防ぐためにも、定期的にサーバーのメンテナンスが必要になってくるのです。

本記事では、サーバーメンテナンス(サーバー保守)のやり方について、日頃からサーバー構築やWebサイトの保守を専門とする『サイト引越し屋さん』が解説いたします。

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サーバーメンテナンスの意味や目的とは

サーバーメンテナンスの意味や目的とは

サーバーメンテナンスとは、ウェブサイトやデータを管理するコンピューター(サーバー)を定期的に点検・修理することです。

サーバーメンテナンスは車の定期点検に似ています。車も長く安全に乗るためには、オイル交換やタイヤの点検が必要ですよね。同様に、サーバーも定期的に「健康診断」を受けることで、ウェブサイトが常に快適にアクセスできる状態を保つことができるのです。

また、サーバーメンテナンスは下記のような目的で実施されます。

  • セキュリティ対策
  • 不具合や障害の修正
  • サーバーのアップデート
  • リソースの最適化

メンテナンスを怠った場合のリスク

メンテナンスを怠った場合のリスク

サーバーメンテナンスを怠ると、思わぬトラブルが発生するリスクが高まります。

中でも、特に深刻なのがセキュリティ面です。脆弱性を放置した状態では、サイバー攻撃や不正アクセスに対して無防備になり、サイトの改ざんや個人情報の漏洩など、重大な被害につながる可能性があります。

また、ディスク容量が逼迫したり、データベースが肥大化することで、ページの表示速度が著しく低下し、SEOにも悪影響を及ぼします。さらに、バックアップを取らずにシステム障害が発生した場合、データの復旧が困難になることもあります。

定期的なメンテナンスは、トラブル回避のための最低限の備えと言えます。

サーバーメンテナンスが必要なタイミング

サーバーメンテナンスが必要なタイミング

Webサイトを安定的に運用するには、サーバーの状態を常に意識しておくことがとても大切です。

「調子が悪くなったら対応すればいい」と後手に回るのではなく、「そろそろメンテナンスが必要かな?」と、予防的な視点を持つことで、トラブルを未然に防ぐことができます。

ここでは、サーバーメンテナンスを行うべき代表的な4つのタイミングについて、実務の観点から詳しくご紹介します。

  1. サーバーのOSやソフトウェアに脆弱性が見つかったとき
  2. 定期的な月次メンテナンス日
  3. 急激なアクセス増への対応時
  4. データベースやファイルの整理が必要なとき

1. サーバーのOSやソフトウェアに脆弱性が見つかったとき

セキュリティの観点から、これが最も緊急度の高いタイミングです。

たとえばLinuxのカーネル、ApacheやNginxといったWebサーバーソフト、MySQLなどのデータベース、あるいはPHPやWordPress本体などで脆弱性(セキュリティホール)が発見されると、それを狙った攻撃が急増する傾向にあります。

このような脆弱性情報は、各ソフトウェアの公式発表や、JPCERT/CCなどの脆弱性情報サイトで公開されるため、常に最新情報をチェックしておくことが大切です。

2. 定期的な月次メンテナンス日

緊急対応とは別に、あらかじめスケジュールを立てて定期的に行うメンテナンスも重要です。

多くの企業では、「月1回」や「3ヶ月に1回」などの頻度で、以下のような作業を行っています。

  • OSやソフトウェアのアップデート
  • 不要ファイルの削除
  • ログファイルの整理
  • ディスク容量のチェック
  • サーバーの再起動(必要に応じて)

こうした「定期メンテナンス」は、日々の運用では見過ごしがちな小さな問題を発見・修正する良い機会です。

3. 急激なアクセス増への対応時

キャンペーンやメディア掲載などをきっかけに、一時的にアクセスが爆発的に増えるケースがあります。

このような場合、サーバーへの負荷が急増し、レスポンスの遅延や一時的なダウンが発生することも少なくありません。

こうした状況では、メンテナンスというよりも「緊急チューニング」に近い対応になりますが、実質的にはパフォーマンス改善を目的としたメンテナンス作業が必要です。

  • PHPやMySQLの設定(memory_limitmax_connectionsなど)の調整
  • 不要なプラグインの停止
  • キャッシュの強化(例:「WP Super Cache」やCDN導入)

4. データベースやファイルの整理が必要なとき

日々の運用を続けていると、知らず知らずのうちにサーバー内にゴミが溜まっていきます。

  • 使用していない画像ファイルや旧バックアップ
  • 自動生成されたキャッシュファイル
  • スパムコメントや未使用の投稿リビジョン
  • 大量のログファイル

これらが蓄積すると、サーバーのディスク容量を圧迫し、サイト表示のパフォーマンスにも影響が出る可能性があります。

また、WordPressの場合、リビジョンが多すぎるとデータベースの肥大化につながるため、定期的な整理が必要です。

具体的なサーバーメンテナンス作業4選を解説

具体的なサーバーメンテナンス作業4選を解説

ここからは、具体的なサーバーメンテナンス作業を4つ解説していきます。

  1. Webサイトの不要なファイルを削除する
  2. 過去のメールデータから不要なものを削除する
  3. サーバーのPHPをバージョンアップする
  4. サーバーのデータベースをバージョンアップする

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1. Webサイトの不要なファイルを削除する

Webサイトの不要なファイルを削除する

Webサイトやメールを保存しておくサーバーには、あらかじめ容量の限界があります。
容量がいっぱいになるとサーバーがダウンしてしまい、Webサイトや、メール機能が一時的に使用できなくなってしまうため注意が必要です。

さくらインターネットによれば、Webサイト1ページあたりのファイルサイズ中央値は以下のようになっています。

2024年2月時点で、Webサイト1ページ当たりのファイルサイズの中央値は、デスクトップ版で2.5MB、モバイル版で2.2MBというデータがあります。

出典元:【Webエンジニア向け】画像変換によるWebサイトの最適化を解説-ImageFlux

ブログなどの場合は年月による積み重ねもあり、1000ページ以上のデータを保有しているケースも見られます

長くサイトを運営している方や、画像を使った記事をよく投稿する方は、サーバー容量の確認、軽量化が特に必要です。

容量を軽くするには、FTPソフトでサーバーにアクセスし、不要なファイルを削除します。

FTPとは、File Transfer Protocol(ファイル転送規約)を意味し、サーバー側とクライアント側(ユーザー側)で、データを送受信する規約のことです。また、ファイルを送受信するために使用するソフトウェアをFTPソフト呼びます。

ちなみに、FTPソフトの設定方法については、こちらの記事を参考にしてみてください。

ホームページやブログの更新を行っていくと、内容が重複しているものや長期間使用していないもの、古過ぎるバックアップデータなど、不要なファイルがサーバーに残っていることがあります。

また、アクセス解析の設定を行っている場合は、FTPソフトを使って、アクセスログがサーバー内に複数保存されていないか確認してみましょう。それらの不要なファイルを削除することで、サーバー容量に空きを作ることができます。

ただし、必要なファイルを削除してしまうと、サイトが見られなくなったり、一部のデータが表示されないことがあります。削除する前には必ずバックアップを取っておきましょう。

なお、不要ファイルを削除しても容量が足りない場合はサーバー移転を検討しましょう。
移転先のレンタルサーバーはエックスサーバーがお勧めです。こちらの解説記事も合わせてご覧ください。

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2. 過去のメールで不要なものは削除する

過去のメールデータから不要なものを削除する

次に、サーバー上の不要なメールを削除するという方法です。

過去のメールが、サーバー容量を圧迫している可能性があります。特に、大容量のファイルが添付されているメールを削除することで、サーバー容量に余裕ができる可能性が高いです。

ただし、メールソフトの設定にはメールソフト側で送受信を行うPOP接続と、サーバーのメールデータに直接アクセスして送受信するIMAP接続の2種類あります。加えて、メールソフトを利用しないWebメールも存在します。

【メール利用方法別の仕様表】
項目 POP接続 IMAP接続 Webメール
サーバー連動 連動していない サーバー内と連動 サーバー内と連動
メールデータ メールソフト内で削除してもサーバーには残る メールソフト内で削除するとサーバー側でも消える メールソフト内で削除するとサーバー側でも消える

POP接続にて利用している場合には、メールソフト内でメールを削除してもサーバー上にはメールデータが残ります。

その場合は、別途IMAPで同じメールアドレスのアカウントを追加して操作するか、または、レンタルサーバーにWebメール機能がある場合はそちらから削除する形でも大丈夫です。

なお、過去のメールデータを削除しても容量が足りない場合には、メールサーバーの移転を検討するようにしましょう。移転先のメールサーバーは下記記事をご参考ください。

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3. PHPのバージョンを最新にする

サーバーのPHPをバージョンアップする

長期間サーバー環境のメンテナンスを行っていないと、サーバーのPHPのバージョンが古いままになっていることがあります。古いPHPバージョンののままにしておくと、サイトの表示スピードが遅くなったりハッキング等のセキュリティリスクが高まります。

そのため、PHPを現在サーバーが推奨しているバージョンに変更することをオススメします。
通常のレンタルサーバーであれば、サーバー管理画面から簡単にバージョン変更可能です。

ただし、WordPress等のCMSを使っている場合には、アップデートが原因でプログラムの不具合が起きてサイトが正常に動作しない危険性があります。

ですので、必ず事前にテストしたうえでPHPバージョンアップ実施するようにしてください。
PHPバージョンアップ方法については下記の記事が参考になります。

また、PHPや後述するデータベースのバージョンアップは適宜行うことを意識しましょう。

特にPHPは新バージョンのリリースが頻繁に行われています。例えば、2025年2月13日にリリースされたPHP8.4.4は脆弱性が見つかり、2025年3月17日にPHP8.4.5にマイナーアップデートされています。

参考:「PHP」に複数脆弱性 – セキュリティアップデートがリリース

マイナーアップデートに対応するには時間がない、という場合でもメジャーアップデートには必ず対応し、セキュリティ面のリスクを減らしておくのがおすすめです。

4. データベースのバージョンを最新にする

データベースのバージョンを最新にする

PHPのバージョンだけでなく、MysqlやMariaDBなどのデータベースのバージョンも最新にしておく必要があります。

データベースとは、世界中で使われているデータ管理システムのことです。この仕組みがあるおかげで、データの保管や更新などの操作がより安全に素早く行うことが可能になっています。

お使いのレンタルサーバーによって多少方法は異なりますが、基本的にはコントロールパネルからデータベースの設定ができるようになっています。

ただし、Mysqlのバージョンをアップデートする際は、データベースの文字コードに注意が必要です。古いデータベースから新しいデータベースにデータを移行する際に、文字コードが異なると移行がうまくできません。

また、PHPと同様に、WordPressなどのCMSを利用している場合は、互換性の問題から不具合が起こる可能性がありますので、プロに任せることをオススメします。

メンテナンス不足でサイトがダウンした事例

メンテナンス不足でサイトがダウンした事例

ここでは、弊社『サイト引越し屋さん』が過去にご対応したサーバーメンテナンス関連の事例をお話できればと思います。

あるクライアントのWordPressサイトでは、長年サーバーやWebサイトのメンテナンスが行われておらず、不要なデータが常に溜まり続けている状態でした。

そして、ある時サーバー容量を超えるデータ量となりサイトが突然表示できなくなりました。そのタイミングでサイト引越し屋さんに復旧対応のご相談をいただき、弊社にて不要データの削除・サイト復旧を実施しました。

その案件に関しては、クライアントが速やかに気付いたためSEO等への影響もなく済みましたが、発見が遅れていた場合は事業への損害が起きていた可能性もあります。

このように、サーバーメンテナンスはWebサイトが安全に稼働するために必要な作業と言えます。手間はかかるものの、ぜひ忘れず行うようにしてください。

まとめ

今回ご紹介したように、自身でホームページやブログなどのWebサイトを運営されている方は、定期的なサーバーメンテナンスが必要です。

サーバーの不要なファイルやメールを削除し、空き容量を増やす
PHPやMysqlのバージョンを最新にしておく

上記のようなサーバーメンテナンスを行っておくことで、トラブルの防止に繋がります。

ただし、知識が無い方が、アップデートやバージョンアップなどを行うと、逆に不具合が起こる可能性もあります。「自分の力だけでは難しい」「自分で作業するのは面倒くさい」と感じる場合は、サイト引越し屋さんに是非ご相談ください。

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この記事を書いた人

サイト引越し屋さん編集部

日本で最も利用されているサーバー移転&保守代行サービス『サイト引越し屋さん』の中の人です。 サイト引越しに関わる技術情報をはじめ、WordPressやその他のWebサービスに関するノウハウを発信しています。 全日本SEO協会所属。

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