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メールサーバー移行トラブル5つの事例と対処法をプロが解説
メールサーバーの移行は、業務に直結するため慎重に進めたい作業です。しかし、経験や知識不足、確認不足によって、思わぬトラブルに遭遇することも少なくありません。
日頃からメールサーバー移行のご支援をしている弊社『サイト引越し屋さん』のクライアントにおいても、たくさんのトラブルを今まで見てきました。
そんなメールサーバー移行トラブル事例のなかでも本日は、実際によく起きるトラブル事例を下記5つご紹介するとともに、その対処法も解説していきます。
- POPだと思ったらIMAPだった
- メールソフト設定更新がうまくいかない
- 過去のメールデータを失う
- 送受信が不安定になる
- 送信メールが迷惑メールになってしまう
既にメールサーバー移行のトラブルに見舞われてしまった方、これからメールサーバー移行を検討されている方、どちらにも参考になる内容になっています。ぜひご覧ください。
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目次(クリックで飛べます!)
1. POPだと思ったらIMAPだった
「昔から同じメールアカウントを使っているけど、たしかPOPだったはず…」と担当者が記憶で判断し、移行作業をPOP前提で進めたケースです。
しかし、実際はIMAPで運用しており、サーバー上の全データを移さないまま切り替えてしまった結果、移行後にメールがごっそり消えてしまうことがあります。複数端末で同じメールを見られるようにしている場合はIMAPの可能性が高く、古いPCに残っている設定だけでは判断できません。
現場での困りごと
- 移行作業後に過去の顧客メールが全部なくなった
- スマホとPCで見ていたはずのメールが同期されなくなった
- 削除したメールが別の端末では残っている
対処法
- 移行前に必ずメールソフトのアカウント設定画面でPOP/IMAPを確認
- データ移行前に、すべてのメールを移行先メールサーバーにデータ移行
- 既にメールサーバー及びメールソフトを切り替えてしまっている場合には、メールソフト内に同一アドレスで旧サーバーに繋いだアカウントを追加し、急いでデータ移行します
本件については更に詳しく解説した記事がありますので、合わせてご参考ください。
2. メールソフト設定更新がうまくいかない
新サーバーの接続情報(サーバー名、ポート番号、暗号化方式など)をもとにメールソフトの設定をしたのに、実際に設定変更を行ったら「接続できない」というエラーが出るケースです。
特に、OutlookやThunderbirdなど、バージョンによって設定画面の項目が異なるソフトでは、案内通りに進めても設定が保存されないことがあります。
現場での困りごと
- 案内通り入力しても接続テストが失敗する
- 一部のスタッフだけ送信や受信ができない
- スマホは送れるけどPCは送れない
対処法
- 画像付きの設定変更手順マニュアルをもとに再度設定を試みる
- 暗号化方式(SSL/TLS、STARTTLSなど)やポート番号などが間違っていないか確認する
- 自社だけで解決できない場合は、専門業者へサポートを依頼する
なお、有名どころのメールソフトについては、メールサーバー移行に伴うPOP接続のメールソフト設定変更について下記記事で解説しています。合わせてご参考ください。
・【POP接続】メールサーバー移転時のOutlook(NEW)の設定手順を解説
・【POP接続】メールサーバー移転時のGmail設定変更方法
・【POP接続】メールサーバー移転時のThunderbird設定変更方法
3. 過去のメールデータを失う
前述の「POPだと思ったらIMAPだった」の場合、基本的に旧サーバー内でメールデータは残っているため後追いでメールデータ移行ができますが、ケースによっては難しいことがあります。
難しいケースとしては、同一レンタルサーバー間でメールサーバーを移転するケースです。この場合、多くのサービスではサーバー切り替えとともに旧サーバーからはメールデータが自動削除されます。
現場での困りごと
- 昨日届くはずだったメールがどこにもない
- ある人には届いて、別の人には届かない
- 重要な契約書のやり取りが途中で消えた
対処法
- まずはIMAPとPOPどちらの接続方式にしているか確認する
- 同一レンタルサーバー間での移転であった場合はレンタルサーバー会社のバックアップ機能を利用してデータが復元できるか試してみる
- 上記が無理であった場合は公式サポートに復元の相談をしてみる
なお、同一レンタルサーバー間でのサーバー移転に関する下記の解説記事も合わせてご参考ください。
4. 送受信が不安定になる
メールサーバー切り替え直後は、DNSの反映が完了していない関係で新旧サーバーへ接続が不安定となり、送受信にばらつきが出ます。ネームサーバーを切り替えた場合には、完全に切り替わるまで24時間かかると言われています。
ネームサーバーは変更後、数時間~最大24時間程度で徐々に反映します。
また、サーバーのファイアウォールやセキュリティ設定が厳しすぎると、一部の送信元からのメールが弾かれてしまうこともあります。
===メールサーバーの移転は非常にリスクの高い作業になります。もし自社で実施することに不安を感じる場合はサーバー移転のプロであるサイト引越し屋さんに是非お任せください。
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現場での困りごと
- ある会社からのメールだけ受信できない
- 外部への送信が時々失敗する
- メールが届くまで数時間かかる
対処法
- 切り替え後DNSが反映するまで24時間待つ
- レンタルサーバーの迷惑メールフィルタ設定を変更してみる
5. 送信メールが迷惑メールになってしまう
新しいサーバーに移行した直後、取引先から「メールが迷惑メールフォルダに入っている」と報告されるケースです。これは送信元ドメイン認証の設定不足や、送信サーバーIPアドレスの信頼度が低いことが原因になります。
現場での困りごと
- 急ぎの見積もりメールが迷惑メール扱いされ、相手が気づかなかった
- 新サーバーになってからメール返信が極端に遅くなった
対処法
- SPFやDKIMなどのDNSレコードも合わせて設定する
- 新サーバーの送信IPアドレスがブラックリストに入っていないか確認する
なお、Gmail宛の迷惑メール判定対策については、下記記事をご参考ください。
正しいメールサーバー移行の手順
ここでは念のため、正しいメールサーバーの移行手順についても簡単に触れておきます。
▼メールサーバー移行の流れ【①POP接続】
- 移行先メールサーバーにてメールアドレスの発行
- 移行先メールサーバーへの切り替え
- メールソフトの設定更新
▼メールサーバー移行の流れ【②IMAP接続】
- 移行先サーバーにてメールアドレスの発行
- メールソフトへIMAP新規アカウント設定
- 過去メールのサーバー間データ移行
- 移行先サーバーへ切り替え
より詳しい手順については、下記の記事にて解説しております。これからメールサーバーの移行を検討されている場合は、一読されることをお勧めします。
まとめ
メールサーバー移行は、技術的な作業だけでなく、現状把握・事前準備・切り替え後のフォローまで含めた総合的なプロセスです。
トラブルの多くは、設定の思い込みや確認不足、DNSやIMAP/POPの仕組みに対する理解不足から発生します。
移行を成功させるためには必ず現行環境を正確に把握し、新サーバー側の設定やメールソフト設定についても事前に確認してからサーバー切り替えを実施するようにしましょう。
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この記事を書いた人
サイト引越し屋さん編集部
日本で最も利用されているサーバー移転&保守代行サービス『サイト引越し屋さん』の中の人です。 サイト引越しに関わる技術情報をはじめ、WordPressやその他のWebサービスに関するノウハウを発信しています。 全日本SEO協会所属。
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