

- セキュリティ
脆弱性診断ツール「イージスEW」と「Tenable」を比較!特徴・機能・導入コストの違いを解説
サイバーセキュリティ対策の重要性が増す昨今、イージスEWとTenable社製品は多くの企業で採用されている代表的なセキュリティソリューションです。
両者にはそれぞれの特徴があり、導入を検討する際には違いを理解することが重要です。
本記事では、イージスEWとTenable Vulnerability Management (Tenable VM)の機能、特徴、導入コスト、適用シーンについて詳しく解説します。サービス導入の参考になれば幸いです。
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目次(クリックで飛べます!)
イージスEWとは? プラットフォーム脆弱性診断ツール
イージスEWは、ASM機能やペネトレーションテスト機能を持つプラットフォーム脆弱性診断ツールで、「Greenbone OpenVAS」をベースとしており、OpenVASに不足している「ドメイン探索」「データ侵害検出」「メールなりすまし対策」「サーバ証明書診断」の機能を追加し、より広範なセキュリティ診断を実現しています。
特に、「ドメイン探索・データ侵害検出」機能は「レコナイ(偵察=reconnaissance)ツール」と呼ばれ、ハッカーが攻撃対象をはじめに選定するために用いるツールと同等の機能を持ち、ハッカーに先んじて脆弱性を検出します。
また、イージスEWは、インターネット上の脆弱性診断のみならず、未来研究所が提供しているセキュアEdge-BOX(VPNBOX)と組み合わせることで社内システムのイントラネットの脆弱性を診断することも可能です。
「インターネット」、「イントラネット」、「納品前システム」といった全てのプラットフォーム脆弱性診断を、共通のGUIで一括管理できます。これにより、種々のツールを用いる必要がなくなり管理手法の一元化が可能となり、運用保守の管理費用削減や管理者の工数低減に寄与します。
直感的なUIと充実した国内サポートにより、運用のしやすさも特徴の一つです。
イージスEW導入時のメリット
- プラットフォーム脆弱性診断ツールとして、幅広い診断分野をカバー
- 脆弱性診断機能(CVE対応)を搭載
- メールなりすまし対策やデータ侵害検出、WAF検出(名称も含む)、サーバ証明書整合性/有効期限の調査など、OpenVASに不足していたプラットフォーム診断が可能
- 直感的なUIで操作が簡単
- 低コストで導入が可能
- 国内サポート充実で導入後の運用がスムーズ
- 総合管理機能が無料ダッシュボードで提供される
イージスEWは、幅広い診断分野をカバーし、CVE対応の脆弱性診断機能を備えています。
さらに、メールなりすまし対策やデータ侵害検出などのプラットフォーム診断やレコナイ診断が可能で、包括的なセキュリティ対策を提供します。
加えて、直感的なUIにより操作が簡単で、国内サポートも充実しているため、導入後の運用もスムーズに行えます。また、他のプラットフォーム脆弱性ツールと比較して低コストで導入できる点も魅力です。イージスEWの価格はオープン価格となっているため非開示ですが、お問い合わせフォームから価格についてお問い合わせすることができます。
イージスEW導入時のデメリットや注意点
- Webアプリケーション診断(SQLインジェクションなど)は未対応
イージスEWは、一部のWebアプリケーション診断にしか対応していないため、SQLインジェクションなどの脆弱性検出を行う場合は、未来研究所が提供している別サービスのOWASP ZAPなどのツールと併用する必要があります。
Tenableとは?
Tenableは、セキュリティソリューションを提供するベンダーです。
インターネット側ではTenable Attack Surface Management、Tenable Vulnerability Management (Tenable VM)、Tenable Security Centerなど、イントラネット側ではTenable Nessus Agent、Tenable Nessus Scanner、Tenable Nessus Manager、そしてTenable VMやSecurity Centerなどの製品を組み合わせて使用します。
Tenable VMはSaaS型の脆弱性管理プラットフォームであり、テストエンジンとしてNessus Scanner/Agentが含まれています。 ScannerやAgentで検出された脆弱性の管理には、Tenable Vulnerability ManagementまたはTenable Security Centerが必要となります。
Teneble導入時のメリット
- 脆弱性管理を中心とした機能を提供しており、IT資産全体の脆弱性管理・可視化が可能
- Tenableプラットフォーム内の複数のシステム(ASM, VM, Nessusなど)との連携がスムーズ
- 大規模なネットワーク環境での管理構成も可能(Tenable VMやSecurity Centerなどの管理層が必要)
Tenable社の製品は、脆弱性管理を中心とした機能を提供し、IT資産全体の脆弱性管理・可視化が可能です。
また、Tenable社の複数のシステムとの連携がスムーズです。
Teneble導入時のデメリットや注意点
- 初心者にはやや扱いづらいインターフェース。
- 設定やカスタマイズには専門知識が必要になることが多い。
- 価格が高い。
Tenableは、初心者には少し使いづらいインターフェースといえます。
設定やカスタマイズには専門知識が必要とされるため、導入時にはある程度の準備が求められます。
また、Tenable社製品は高額であり多くの場合数百万円からスタートとなります。
イージスEWとTenableの比較
両サービスの特徴について表でまとめてみます。
項目 | イージスEW | Tenable Vulnerability Management (旧tenable.io) |
---|---|---|
主な用途 | 総合的なプラットフォーム脆弱性 + ドメイン/証明書/侵害調査 | 脆弱性管理・可視化・外部攻撃面管理 |
インターフェース | シンプルで直感的 | やや専門的、慣れが必要 |
サポート体制 | 国内サポート、365日対応 | グローバル体制、英語中心 |
プラットフォーム診断 | AWS / Azure 両方対応 | AWS / Azure 両方対応(Cloud Scan) |
データ侵害チェック | ○(ダークウェブ調査対応) | × |
WAF検出 | ○(名称検出可) | × |
メールなりすまし対策 | ○(SPF, DKIM, DMARC) | × |
レポート形式 | PDF / Word / HTML 対応 | PDF のみ対応 |
CVE検出と比較分析 | ○(CVEベース + 修正履歴比較) | ○(継続的な診断と比較機能) |
カスタマイズ性 | やや制限あり(UI重視) | 高度なカスタマイズが可能 |
スキャン速度 | 高速(軽量スキャン) | 非常に高速(Nessusベース) |
レポートの見やすさ | グラフ・図解・複数形式に対応 | データ中心(詳細表示重視) |
導入コスト(目安) | 1ショット10万円程度〜 + 年間契約(毎月1回診断)30万程度 | 約400万円〜(100台・Nessus連携) |
導入コストの比較
イージスEWとTenable Vulnerability Managementを導入する際に、必要な費用感をあらためて確認してみましょう。
イージスEWの導入コスト
- 診断料:オープン価格
- ダッシュボード使用料:有料診断を実施することで1年間無料使用可能
イージスEWは、オープン価格となっていますが、価格についてのお問い合わせを受け付けています。診断対象のサブドメイン数を含めた総ドメイン数が診断料算定の基準になり、最も安い価格帯は1ショット10万程度からとリーズナブルです。
また、ドメイン数が非常に多くても低コストで導入できるため、多数のサブドメインのドメイン管理などにも適しています。
初期コストを抑えながら、総合的なセキュリティ対策を導入したい中小企業、また、多数のサブドメインをかかえる大企業や大学に適しています。
Tenableの導入コスト
- 参考価格:年間 約400万円〜(監視端末100台 + Nessus構成)
- 構成例:Tenable VM(約300万円) + 各拠点用Nessus搭載(100万円〜)
Tenableは、ネットワーク全体を包括的に監視する大規模環境に特化した構成が可能です。
端末数やセグメント構成に応じて柔軟に設計でき、特にエンタープライズ規模のセキュリティ管理に強みがあります。
両者のおすすめの導入シーン
それぞれのサービスを導入する場合、どのような場面に適しているのか紹介します。
イージスEWが向いているケース
- OpenVASベースの診断を活用したい企業
- ネットワーク全体を包括的に診断したい企業
- メールなりすまし対策やデータ漏洩チェックを行いたい企業
- 直感的なUIで初心者でも運用しやすいソリューションを探している企業
- コストを抑えたい企業
イージスEWは、ネットワーク層からプラットフォーム層までOpenVASをベースにした広範囲な診断を必要とする企業に適しています。
特に、メールなりすまし対策やデータ漏洩チェックなどハッカー攻撃への対策を求める企業にとっては有用です。
また、直感的なUIを備えているため、初心者でも使いやすいメリットがあります。
低コストで導入できるため、コストを抑えながらセキュリティ対策を強化したい企業にも適しています。ドメイン数が非常に多くても低コストで導入できるため、多数のドメインのドメイン管理に課題がある大企業や大学などにも適しています。
Tenableが向いているケース
- 大規模なネットワークを持ち、多様なIT資産を管理している企業。
- 専門のセキュリティ担当者が在籍している企業。
- 脆弱性診断を定期的に行い、迅速な対応を求める企業。
Tenableは、大規模なネットワークを持ち、多様なIT資産を管理している企業に適しています。
専門のセキュリティ担当者が在籍しており、脆弱性診断を定期的に行い、迅速な対応を求める企業にとって最適な選択肢です。
まとめ
イージスEWとTenableは、それぞれ異なる強みを持つセキュリティソリューションです。
とくにイージスEWは、セキュリティ対策を初めて導入する企業や専門知識を持たない管理担当者にとって、非常に適したソリューションです。
使いやすさ、国内サポート、コストパフォーマンスの3つのポイントが特に大きな魅力です。
さらに、インターネット、イントラネット、納品前システムといった異なる環境の脆弱性診断結果を共通GUIで一元管理できる点は、運用の効率化に大きく貢献します。
イージスEWは、OpenVASをベースにしつつ、データ侵害検出やメールなりすまし対策など、ハッカーの初期攻撃で狙われやすい箇所への診断機能を強化しており、総合管理機能が無料ダッシュボードで提供されるなど、コストを抑えながら多角的な対策を実行したい中小企業から大企業や大学など多くの組織にとって、最適な選択肢になり得ます。
一方、Tenableは、脆弱性診断に特化しているものの、使いこなすためには専門知識が必要であり、さらに高額な導入費用も伴います。
そのため、大規模なネットワーク環境を持ち、専任のセキュリティ担当者がいる企業に向いています。
総じて、多くの診断分野をカバーし使いやすく、コストも抑えたイージスEWが、多くの企業や団体にとって最適な選択肢になり得るといえます。
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この記事を書いた人
サイト引越し屋さん編集部
日本で最も利用されているサーバー移転&保守代行サービス『サイト引越し屋さん』の中の人です。 サイト引越しに関わる技術情報をはじめ、WordPressやその他のWebサービスに関するノウハウを発信しています。 全日本SEO協会所属。
この記事を監修した人

株式会社未来研究所
サイバーセキュリティ企業「未来研究所」の中の人です。 プラットフォーム脆弱性診断ツール『イージスEW』のASM+レコナイ(偵察)・ペネトレ診断と、伴走サービスで、セキュアな環境を提供します。SoftwareISAC・日本セキュリティマネジメント学会所属。
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