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Google Workspaceからレンタルサーバへ移転してコストダウンする方法
Google Workspaceの月額利用料が高くてお悩みではないでしょうか?
従業員数が数十名規模の企業でGoogle Workspace(GWS)を主に「メールしか使っていない」場合、メールサーバーをレンタルサーバに切り替えることで大きなコスト削減が可能です。
本記事では、Google Workspaceからレンタルサーバへメールサーバー移行することでコストダウンする方法と、その際の注意点をご紹介していきます。
日頃からメールサーバーの運用・移転をご支援している『サイト引越し屋さん』が、プロの視点から解説していますので、ぜひご参考ください。
目次(クリックで飛べます!)
見落とされがちな「ユーザー毎課金」の重み
Google Workspaceは、各種Google系ツールがオールインワンで契約・利用できる点では便利なものの、ユーザー毎に課金される点で従業員数に応じてコストが増えやすいのがデメリットです。
特に、主にメール利用を目的としてGoogle Workspaceを利用している場合には、GWSの良さを活かしきれない状態でコストばかり増えてしまうため、勿体ないと感じる企業も多いです。
実際、弊社サイト引越し屋さんにも年々、GWSの費用負担に関するご相談は増えています。
例えば、従業員30名でGoogle Workspaceを契約している場合のプランごと月額利用料は下記のようになっています。
プラン | 単価(例) | ユーザー数 | 合計 |
---|---|---|---|
Business Starter | 800円 / ユーザー | 30 | 24,000円/月 |
Business Standard | 1,600円 / ユーザー | 30 | 48,000円/月 |
Business Plus | 2,500円 / ユーザー | 30 | 75,000円/月 |
※2025年8月時点での公式料金表から転載しています。
引用元:Google Workspace 公式案内ページ
メール中心ならさくらのレンサバがお勧め
Googleカレンダーやドライブ、その他機能をフル活用している企業を除き、Gmailによるメール利用が中心の場合には、メールサーバーをレンタルサーバに切り替えるのがお勧めです。
というのも、GWSのGmailは容量の拡張性が強みとされており、レンタルサーバの容量が小さかった時代には画期的なサービスでした。
しかしながら、最近のレンタルサーバーはメールサーバーの容量が増えており、GWSによる拡張をせずとも、十分な容量を確保できるようになっています。
特に、数あるレンタルサーバの中でもさくらのレンタルサーバはメールサーバーのスペックがずば抜けており、全体の容量やメールアドレス毎に設定できる容量上限が非常に大きいです。多くの企業は、GWSを使わずさくらのレンタルサーバで事足ります。
さくらのレンタルサーバのメール機能の要点
さくらのレンタルサーバにおけるプラン毎のメールサーバー機能は下記となっています。
※2025年8月時点での公式サイトデータを転載しております。また、表内で記載している月額料金は、36ヵ月契約をし長期契約割引が適用された場合の月額換算料金を記載しています。
引用元:サポートよくあるご質問 > 各プランの1メールアドレスあたりのメール容量
引用元:さくらのレンタルサーバ 料金表
プラン名 | 月額料金 | メールサーバー容量 | 1アドレス毎の最大容量 | アドレス数 |
---|---|---|---|---|
ライト | 121円~ | 100GB | 100GB | 無制限 |
スタンダード | 500円~ | 300GB | 300GB | 無制限 |
ビジネス | 1,980円~ | 600GB | 600GB | 無制限 |
ビジネスプロ | 3,850円~ | 900GB | 900GB | 無制限 |
他社のレンタルサーバーの場合、サーバー全体の容量は数百GBあったとしても、1メールアドレス単位の最大容量は数十GBに制限されています。
対して、さくらのレンタルサーバはサーバー全体の容量に対して1アドレスを限界まで利用できるのが大きな特徴です。
社内にメール利用の多いスタッフさんがいても、足りなくなる心配がありません。
コストダウン試算:どれくらい下がる?
では、GWSからさくらのレンタルサーバへメールサーバーの移行をすると、具体的にどれぐらいコストダウンになるのか試算してみたいと思います。
ここでは「従業員数30人、1人当たりのメール容量を平均30GB」設けたいとします。
メール利用が少なく5GBしか使わない方もいれば、利用が多く55GB使う方もいるイメージです。
サーバー全体の容量としては30人×30GB=900GBとなり、ビジネスプロプランが最適です。
この場合の、GWSプラン毎の月額コストダウンは下記となります。
現在のGWSプラン | 現在の月額料金 | 移行後の月額料金 | 月額コストダウン | 年額コストダウン |
---|---|---|---|---|
Starter | 24,000円 | 3,850円 | 20,150円 | 241,800円 |
Standard | 48,000円 | 3,850円 | 44,150円 | 529,800円 |
Plus | 75,000円 | 3,850円 | 71,150円 | 853,800円 |
GWSで一番安いプランであるビジネススターターであっても年間約25万円のコストダウン、ビジネスプラスの場合は年間約85万円のコストダウンになる、という試算になりました。
中小企業にとって、年間数十万のコストダウンはインパクトが大きいです。
また、今回は従業員数30名のケースで試算しましたが、GWSがユーザーごと課金であることを考慮すると、人数が多いほどコストダウン効果が向上すると言えます。
GWSからレンタルサーバ移行の注意点
ここまではGWSからレンタルサーバへ移行するメリットやコスト比較をお伝えしてきましたが、移行する場合の注意点についても合わせてお伝えしておきます。
- Googleカレンダーやドライブなど付帯サービスが使えなくなる
- メールデータ移行やDNS切り替えの手間やリスク
- 2段階認証等セキュリティの問題
- 監視ログ機能の低下
1つずつ見ていきましょう。
1. Googleカレンダーやドライブなど付帯サービスが使えなくなる
Google WorkspaceはGoogle系ツールがオールインワンで入っているサブスクサービスです。
そのため、Gmail以外のツールも日常的に使用している場合は、解約とともに全てのツールが利用できなくなるので注意が必要です。
元々Gmailしか使っていない場合は分かりやすく移行できますが、他のツールも利用している場合は、個々スタッフで無料のGoogleアカウントを作成するなどの対応が必要になります。
過去にサイト引越し屋さんで対応した従業員数40名ほどのクライアントさんの例では、メールサーバーはさくらのレンタルサーバを使いつつ、各スタッフさん毎に無料のGoogleアカウントを持ってGoogleカレンダーを共有し合うなどして対応している企業さんがいらっしゃいました。
2. メールデータ移行やDNS切り替えの手間やリスク
次に取り上げる注意点は、GWSからレンタルサーバへメールサーバー移行する際のメールデータ移行作業やサーバー切り替え作業についてです。
メールデータは仕事を行ううえで非常に重要なデータになりますので、移行漏れなどが起きないよう慎重に進めたいところです。もし自社で対応するのが不安な場合には、サイト引越し屋さんにてサポート可能です。お気軽にご相談ください。
3. 2段階認証等セキュリティの問題
3つ目の注意点は、2段階認証などセキュリティ面での問題です。
Gmailの場合はデフォルトで二段階認証機能があるのに対して、レンタルサーバのメールサーバーを利用してPC内のメールソフトを使用する場合には、PC本体のセキュリティ環境に依存します。
セキュリティソフトを入れてPC環境が安全な状態にしておくようにしましょう。
4. 監視ログ機能の低下
最後に取り上げる注意点は、監視ログ機能の低下です。GWSの場合は企業側で全スタッフのアカウント契約を管理しているため、何か事故など起きた際に過去のログ(履歴)を確実にチェックすることが可能です。
レンタルサーバの場合、メールソフトの接続方式をPOPかつサーバ内にメールデータを残さない設定の場合、スタッフのPC本体以外に過去のやり取りを確認する術がありません。
そのため、レンタルサーバに移行する場合はメールサーバー内に過去メールデータを残す設定で運用するよう注意してください。
まとめ
Google Workspaceからレンタルサーバへのメールサーバー移行は、メール中心の利用者を対象にすれば大幅なコスト削減が可能です。
一方で、機能低下や移行作業負担などのデメリットも存在します。費用効果と運用リスクを比較し、見合うようなら移行を検討するようにしてください。
なお、GWSからレンタルサーバへメールサーバー移行について、サイト引越し屋さんでは無料でご相談に乗っております。移行をご検討の場合はお気軽にご相談くださいませ。
この記事を書いた人
サイト引越し屋さん編集部
日本で最も利用されているサーバー移転&保守代行サービス『サイト引越し屋さん』の中の人です。 サイト引越しに関わる技術情報をはじめ、WordPressやその他のWebサービスに関するノウハウを発信しています。 全日本SEO協会所属。
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